出版物トコの間

全国的に有名なあのCMが
乗りに乗ってるらしいよ

ローカルCMの定番の一つといえば、『天国社』だ。葬義場のコマーシャルは、荘厳で格調高いものが普通だ。ところが天国社のコマーシャルは、「まだまだ行かない!天国にゃ〜」という過激なセリフを、今にも天国に行きそうな年齢のご婦人方に言わせるのだ。

初めて見たときは、仰天した。とかく「死」というものを、暗いイメージで捕らえている日本人に対する挑戦だと考えることもできる。

たしかに、生まれたということは、全員、死ぬということだからな。早いか遅いかというだけで、死を迎えることは当然のことで悲観することではないっす。そんな発想の転換だね。出演者も、85歳(多分)画家とか、ダンスを踊る(たしか)76歳とか。「まだまだやりたい事があるんだから、簡単に死ねないわよっ」とでも言いたげだ。

その天国社のニューバージョンは、さらに挑戦的になった。ロックコンサートでノリノリの老人や、エアロビクスに興じる老人といったものだ。CM中、ステージで演奏しているのは、木原慶吾&スピリッツだ。もちろん、あの「ノッキンノッキンオン、ヘブンズドア〜〜」という天国社のCMソングを歌っているバンドだよ。CMソングは、フルコーラスありCDにもなっている。

CDは天国社会館かインターネットで購入できる。噂によると、CDを買うと「骨壷無料券」がついているらしい。あくまでも噂だが。

そういえば「手と手をあわせてシアワセ〜、なむ〜」で有名な『お仏壇のはせがわ』のたばさちゃんのドデカイ看板を渋谷で見た。たしか、はせがわの渋谷出店の噂を聞いたな(すまん、噂ばかりで。そのうち確認します)。しかし、渋谷だよ。たむろするのは超若年層だ。仏壇に手を合わせるとはとうてい思えない。

商売が成り立つのだろうか。そうか、仏事に縁がない世代だから、かえって仏具なんて新鮮に映るかもしれない。そのうち、木魚や鐘を打ち鳴らすラッパーとか、袈裟衣を着こなすギャルとか出てくるかもしれない。

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