出版物トコの間

素人の演技はいかがなものか・・・
楽しみな福岡の2本のドラマ

天神を歩いていたら、よれよれシャツに首タオルのむさくるしい男に声を掛けられた。軽くにらむと、知人のディレクターだった。

「今、ロケ中。またドラマ撮ってるんだよ。今度は新天町が舞台だから」とのこと。「ああ、夕方どんどんで放送する連続ドラマ。何本目だっけ」「第3弾よ。今度はさぁ、調子に乗っちゃって、主演に女優とか使っちゃってるのよ。渡辺典子。ついに女優よ女優」スッゲー嬉しそうだ。(『新天町ふぉとぐらふ』はRKB7月29日〜8月2日)。

唐人町の商店主等が参加していた第1弾からすると、出演者はほとんどプロになったようだ。やっぱりドラマはフィクションだからねぇ。バラエティ番組ならともかく、ドラマに素人は無理だとおもう。クサい演技に見ていて恥ずかしい時もあるもんね。

そう思っていた矢先、「ドラマのオーディションにいきました。ドキドキしました」という文を、新聞の投書欄で見つけた。浮羽郡の人だ。

「このところずっと浮羽郡にいるんですよ。永住してもいいかも」と公言していた公共放送のディレクターの顔が浮かんだ。恋人が浮羽に出来たのだろうと聞き流していたがドラマのためだったのかぁ。ストーリーは、浮羽の少年と福岡市内に住む少女の恋愛を軸にふるさととはなにかを描くらしい。その重要な少年役をはじめ、地元の方のオーディションを行なったそうだ。

しかし、ゴタクは素人さんだ。その意見を聞いて、なにが得られるというのだろう。最近の若者の考えですか?つい、見る前から、この番組の意味は?なんてことが気になる。見終わって、思った。

「素人が演技するって、限界があると思うんだけど」と尋ねたら、キッパリ反論された。「演技をしてもらおうとは思っていません。時間をかけて役柄になりきってもらうんです。そしたら、演技でなくて、それは自然な本人の行動ですから」なるほど、じっくり撮るドキュメンタリーみたいなドラマって感じなのかな。素人参加型ドラマのひとつの方法かもしれない。しかし、いかんせん、民放にこの真似はできまっせん。公共放送と違い、時間も予算も無いのじゃから(NHK福岡局制作ドラマ「うきは」は初冬に放送予定っす)。

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